2's VOICES Concert
2008/04/24 (木)
マイミクしばけんさん(プロのトロンボニスト)が出演されている、面白いコンサートに行ってきました♪ 最近音が頭に響くのでライブからはすっかり遠ざかっていたのですが、今回は完全なるアコースティックなので大丈夫だ! と思って出掛けてきました。
「2's VOICES Concert」
@ 旧香港上海銀行長崎支店記念館ホール
出演
池田真子 ソプラノ
柴田健一 トロンボーン
小國雅香 ピアノ
石松史子 ピアノ
ピアノはお二方おられましたが、同時の演奏はありませんでした。
■ ─────────────────────────── ■
第1部は主にクラシック。
■ 池田真子・石松史子
パーセル作曲「つかの間の音楽」
ヘンデル作曲「オンブラ・マイ・フ」
■ 池田真子・柴田健一・石松史子
ヘンデル作曲「サムソン」より“輝けるセラフたちを”
■ 柴田健一・小國雅香
モーツァルト作曲「きらきら星変奏曲」
■ 石松史子
ベラ・バルトーク作曲「15の農民の歌」「子供のために」より
■ 池田真子・柴田健一
西村英将作曲「23の主題によるエストニアの仕事歌」
■ ─────────────────────────── ■
池田真子さんのソプラノはとてもステキでした。力が抜けていて、邪魔なビブラートが無くて、すごく済んだ綺麗な声。声そのものを聞いているだけでもシアワセになれるような。口のまわりとかアゴのあたりが本当にラクそうでした。
パーセルやヘンデルを聴いて思ったのは、こういう曲はピアノ伴奏ではイマイチしっくり来ないなあ…ということでした。ワタクシ底が浅いので深いことはよく判らないのですが、管や弦なんかの音が減衰しない楽器で聞きたいと思いました。でもそれだけなのかな。実は音律が関係してたりして? この時代の音楽に平均律で調律されたピアノは合わないとか?? うーん、よく判りません。あるいは単に音色のせいなのかも。このころピアノはまだ存在しなかったそうなので、その時代になかった楽器では合わないように出来てるのかもしれません。
同じヘンデルでも「サムソン」には しばけんさんのトロンボーンが入りまして、そしたらグッと違和感がなくなりました。でも生声でトロンボーンの音量と張り合うのは大変ですね。しばけんさんが抑えめで吹いているところは大丈夫でしたが、ちょっとフォルテ入ると歌が大変そうでした。この曲は途中にちょっとお遊びでジャズ要素が入っていて笑いました。
「きらきら星」はもう完全に小國雅香さんのオリジナルといっていい、完全なるジャズ。これは以前にもライブハウスで聞いたことがあります。楽しい楽しい♪ にしても小國さんのユビの力はすごい! ディナーミクの幅がもの凄く広いです。とてもステキなのですが、フォルテシモ部分はかなり頭に響きました (笑)
「23の主題によるエストニアの仕事歌」は、この日のための委嘱作品だそうです。ソプラノ歌手とトロンボーンのための曲なんて、まあ無いですもんね (笑)。作曲家の西村英将さんは、池田真子さんのご友人のようでした。面白かったのですが、現代曲っぽい感じの曲で、ワタシの好みからはちょっと外れていました。しばけんさん、最後の低音で2つ音を出してた!!! スゴイ技!!
しばけんさん情報によると、これは重音奏法と言う奏法だそうです。トロンボーン本来の音を出しながら、声で、別の音程を歌うとのことです。「うまくはまると、倍音まで含めて三重音も可能です」と仰っていました。すごい。
■ ─────────────────────────── ■
第2部はちょっとポピュラーな感じ。
■ 柴田健一・小國雅香
ピアゾラ作曲「リベルタンゴ」
JJジョンソン作曲「ラメント」
プッチーニ作曲「マダム・バタフライ」
■ 池田真子・石松史子
フォーレ作曲「月の光」
アーン作曲「しぼんだ花」
■ 柴田健一・小國雅香
小國雅香作曲「長崎春雨夜」
■ 池田真子・柴田健一・小國雅香
武満徹作曲「死んだ男の残したものは」
武満徹作曲「めぐり逢い」(アンコール)
■ ─────────────────────────── ■
しばけんさんと小國さんのコンビ曲は完全にジャズです。しばけんさんのトロンボーンは音色が柔らかくてステキ。掛け合いも楽しいです。「リベルタンゴ」も以前ライブハウスで聞きました。「マダム・バタフライ」は「甘〜〜〜露 健康の〜ど飴〜〜〜」のアレですね。こちらもジャズアレンジが意外で楽しかったです。
「ラメント」は初聴きだったのですが、鎮魂歌だそうです。すごく素敵な曲でした。小國さんのアレンジが入りまくりなのかもしれませんが…コードの運びがとてもステキ。大野雄二の「モンマルトル」を思い出しました。曲が似てるワケじゃないんですが、グッと来る感じが似てる (笑) …といっても、モンマルトルが判る人も少ないですよね。ゴメンナサイ。
このコンサートに出掛ける前、知人の訃報に接していまして…。もう何年もお会いしてなかったのですが、以前合唱団で一緒に歌っていた方で、いつもニコニコ笑顔を絶やさない素敵な人生の先輩でした。そんなコトも重なって、「ラメント」「死んだ男」にはなんだかグッと来てしまって、ちょっとナミダ出ました。
第2部の 池田真子さん・石松史子さんペアの演奏は、第1部と大分印象が違いました。第2部の2曲はテンションコードなんかが多用された小洒落た感じの曲で、そうするとピアノ伴奏とソロ、という形でもまったく違和感が無く、たいそうステキでした。やっぱりスッキリしたコードで歌はソロ、というのにピアノ伴奏は合わないのだろうか。石松さんのピアノは歌の伴奏として丁度良い音量で、和みながら聴かせて頂きました。
小國さんの「長崎春雨夜」はCDにも入ってる曲です(←持ってる)。ちょっとジョージ・ウィンストン風の曲。せつなくも美しいメロディーです。
ラストは「死んだ男の残したものは」。なんとボサノバ。伴奏はジャズで歌はクラシカルでしたが、不思議に違和感はありません。好みで言えば、バックがボサノバなのでもうすこし淡々目に(←造語)歌ってくれるほうが好きなのですが、なんといっても声が美しいので引き込まれます。なにしろ泣いちゃったんですから (^_^; 歌詞とかよりも、きっと音の動きや音色にヤられてるんだと思います、私の場合。
小國さんのピアノは生声ソロの伴奏としてはちょっと音量が大きすぎるな、と感じました。歌い手さんにもあんまり張り切って声を絞り出して欲しくないし。ましてやトロンボーンもいるとなると大変! そんななか、池田さんのソプラノはとても楽そうに歌っているのに特に高音のほうはバリバリ響き渡って、ほんと凄いひとです。
アンコールもタケミツの曲ですが、なんと作詞が荒木一郎。そんな組み合わせあったんだ! とても素敵な曲でした。オリジナルも聴いてみたいな。
■ ─────────────────────────── ■
すごく充実したコンサートでした。楽しかった。ダンナも仕事が切り上げられたら来ると言ってたのですが間に合わず。報告したら残念そうでした。次の機会も楽しみです♪ しばけんさん、ありがとうございました。
「2's VOICES Concert」
@ 旧香港上海銀行長崎支店記念館ホール
出演
池田真子 ソプラノ
柴田健一 トロンボーン
小國雅香 ピアノ
石松史子 ピアノ
ピアノはお二方おられましたが、同時の演奏はありませんでした。
■ ─────────────────────────── ■
第1部は主にクラシック。
■ 池田真子・石松史子
パーセル作曲「つかの間の音楽」
ヘンデル作曲「オンブラ・マイ・フ」
■ 池田真子・柴田健一・石松史子
ヘンデル作曲「サムソン」より“輝けるセラフたちを”
■ 柴田健一・小國雅香
モーツァルト作曲「きらきら星変奏曲」
■ 石松史子
ベラ・バルトーク作曲「15の農民の歌」「子供のために」より
■ 池田真子・柴田健一
西村英将作曲「23の主題によるエストニアの仕事歌」
■ ─────────────────────────── ■
池田真子さんのソプラノはとてもステキでした。力が抜けていて、邪魔なビブラートが無くて、すごく済んだ綺麗な声。声そのものを聞いているだけでもシアワセになれるような。口のまわりとかアゴのあたりが本当にラクそうでした。
パーセルやヘンデルを聴いて思ったのは、こういう曲はピアノ伴奏ではイマイチしっくり来ないなあ…ということでした。ワタクシ底が浅いので深いことはよく判らないのですが、管や弦なんかの音が減衰しない楽器で聞きたいと思いました。でもそれだけなのかな。実は音律が関係してたりして? この時代の音楽に平均律で調律されたピアノは合わないとか?? うーん、よく判りません。あるいは単に音色のせいなのかも。このころピアノはまだ存在しなかったそうなので、その時代になかった楽器では合わないように出来てるのかもしれません。
同じヘンデルでも「サムソン」には しばけんさんのトロンボーンが入りまして、そしたらグッと違和感がなくなりました。でも生声でトロンボーンの音量と張り合うのは大変ですね。しばけんさんが抑えめで吹いているところは大丈夫でしたが、ちょっとフォルテ入ると歌が大変そうでした。この曲は途中にちょっとお遊びでジャズ要素が入っていて笑いました。
「きらきら星」はもう完全に小國雅香さんのオリジナルといっていい、完全なるジャズ。これは以前にもライブハウスで聞いたことがあります。楽しい楽しい♪ にしても小國さんのユビの力はすごい! ディナーミクの幅がもの凄く広いです。とてもステキなのですが、フォルテシモ部分はかなり頭に響きました (笑)
「23の主題によるエストニアの仕事歌」は、この日のための委嘱作品だそうです。ソプラノ歌手とトロンボーンのための曲なんて、まあ無いですもんね (笑)。作曲家の西村英将さんは、池田真子さんのご友人のようでした。面白かったのですが、現代曲っぽい感じの曲で、ワタシの好みからはちょっと外れていました。しばけんさん、最後の低音で2つ音を出してた!!! スゴイ技!!
しばけんさん情報によると、これは重音奏法と言う奏法だそうです。トロンボーン本来の音を出しながら、声で、別の音程を歌うとのことです。「うまくはまると、倍音まで含めて三重音も可能です」と仰っていました。すごい。
■ ─────────────────────────── ■
第2部はちょっとポピュラーな感じ。
■ 柴田健一・小國雅香
ピアゾラ作曲「リベルタンゴ」
JJジョンソン作曲「ラメント」
プッチーニ作曲「マダム・バタフライ」
■ 池田真子・石松史子
フォーレ作曲「月の光」
アーン作曲「しぼんだ花」
■ 柴田健一・小國雅香
小國雅香作曲「長崎春雨夜」
■ 池田真子・柴田健一・小國雅香
武満徹作曲「死んだ男の残したものは」
武満徹作曲「めぐり逢い」(アンコール)
■ ─────────────────────────── ■
しばけんさんと小國さんのコンビ曲は完全にジャズです。しばけんさんのトロンボーンは音色が柔らかくてステキ。掛け合いも楽しいです。「リベルタンゴ」も以前ライブハウスで聞きました。「マダム・バタフライ」は「甘〜〜〜露 健康の〜ど飴〜〜〜」のアレですね。こちらもジャズアレンジが意外で楽しかったです。
「ラメント」は初聴きだったのですが、鎮魂歌だそうです。すごく素敵な曲でした。小國さんのアレンジが入りまくりなのかもしれませんが…コードの運びがとてもステキ。大野雄二の「モンマルトル」を思い出しました。曲が似てるワケじゃないんですが、グッと来る感じが似てる (笑) …といっても、モンマルトルが判る人も少ないですよね。ゴメンナサイ。
このコンサートに出掛ける前、知人の訃報に接していまして…。もう何年もお会いしてなかったのですが、以前合唱団で一緒に歌っていた方で、いつもニコニコ笑顔を絶やさない素敵な人生の先輩でした。そんなコトも重なって、「ラメント」「死んだ男」にはなんだかグッと来てしまって、ちょっとナミダ出ました。
第2部の 池田真子さん・石松史子さんペアの演奏は、第1部と大分印象が違いました。第2部の2曲はテンションコードなんかが多用された小洒落た感じの曲で、そうするとピアノ伴奏とソロ、という形でもまったく違和感が無く、たいそうステキでした。やっぱりスッキリしたコードで歌はソロ、というのにピアノ伴奏は合わないのだろうか。石松さんのピアノは歌の伴奏として丁度良い音量で、和みながら聴かせて頂きました。
小國さんの「長崎春雨夜」はCDにも入ってる曲です(←持ってる)。ちょっとジョージ・ウィンストン風の曲。せつなくも美しいメロディーです。
ラストは「死んだ男の残したものは」。なんとボサノバ。伴奏はジャズで歌はクラシカルでしたが、不思議に違和感はありません。好みで言えば、バックがボサノバなのでもうすこし淡々目に(←造語)歌ってくれるほうが好きなのですが、なんといっても声が美しいので引き込まれます。なにしろ泣いちゃったんですから (^_^; 歌詞とかよりも、きっと音の動きや音色にヤられてるんだと思います、私の場合。
小國さんのピアノは生声ソロの伴奏としてはちょっと音量が大きすぎるな、と感じました。歌い手さんにもあんまり張り切って声を絞り出して欲しくないし。ましてやトロンボーンもいるとなると大変! そんななか、池田さんのソプラノはとても楽そうに歌っているのに特に高音のほうはバリバリ響き渡って、ほんと凄いひとです。
アンコールもタケミツの曲ですが、なんと作詞が荒木一郎。そんな組み合わせあったんだ! とても素敵な曲でした。オリジナルも聴いてみたいな。
■ ─────────────────────────── ■
すごく充実したコンサートでした。楽しかった。ダンナも仕事が切り上げられたら来ると言ってたのですが間に合わず。報告したら残念そうでした。次の機会も楽しみです♪ しばけんさん、ありがとうございました。