こんきちの雑記帳

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松岡由美子さんワークショップ

スタジオアルシス主催の、松岡由美子さんによるワークショップに酸化しました。

去年の夏はちょっと狭目の(←失礼)スタジオアルシス内にて、でしたが今回はアルシスの近くの「アクト21」という会場のホール。広々していて、声が気持よく出せる会場でした。

今回、ご一緒した RENT さんが内容をかなり丁寧にまとめてくださってるので、mixi にアカウントをお持ちの方はそちらをお読みください(笑)(← RENT さん、ゴメンなさ〜い)

以下、私個人が感じたことを。

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【LEMURIA】

合わせると綺麗な曲なんだけど、なにしろゆっくりした曲でブレスが大変だった。こういうのは基礎がちゃんと出来てないと歌えないんだろうなあ。少しでも余計な緊張があったり息漏れがあったりすると全然歌えません。


【リズム演習】

↓こんな感じの。



足踏みで16ビートの4分音符を踏んで、持参した菜箸で8分音符を刻んだり、16分音符で「123,123,12」と言いながら「1」のところで叩いたり、それぞれパートに分かれて違う箇所で叩いたり。

これはムチャクチャ楽しかったです。脳トレみたいでした。大勢でパート分けしてやると、なんかワケもなく楽しい(笑)足と手まではまあ問題ないんだけど、更に手と口が違うリズムだと大変!

この演習のなかで、足で4分音符、菜箸で8分音符を刻みながらブルース進行で好きに歌う、という場面がありました。進行に合わせてアドリブで好きに歌うというのは好きでよくやるんですが、足と手と同時にやろうとすると全然できないということが判ってちょっとしたショックを受けました(笑)アドリブのほうに気を取られると、足と手が全くお留守になってしまう。エレクトーンで伴奏弾きながらアドリブで歌ったりする人の脳みその中身は一体どうなってるんだろうと思っちゃいました。


【松岡さんアレンジを歌う】

ここのみなさんは初見能力が高いので、割にすぐにそれらしい音が鳴ってとても楽しいです。初見で歌うというのは、紙に書かれた記号からどんどん世界をリアルタイムに作っていく感覚があるので 私は好きです。

印象に残ったのは、スタジオアルシスの主催者さんの言葉で「初めて歌う曲を、とにかく一斉に歌ってみることは大事」という言葉。

パートごとに分けて音を取ってとやっていくよりも、とにかく全員で一斉に歌い始めることで、最初からみんなで世界観を共有していくことができる。

これって本当に理想的だなと思うんですけれど、全員が初見がきくか、あるいはこの時みたいに大勢いてこの部分は自分は歌えなかったけど誰かが歌えて、また別の場面では誰かが歌えなかったけど自分は歌えて、といったように 補完しながらできる状況である必要がある。1パート1人のアカペラではなかなか難しいですよねえ。でもそれができたら楽しいだろうな。

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私は、隣の人と同じ音を歌うというのが嫌で(ユニゾンが嫌いという意味ではないですよ)それが合唱の世界から離れた理由の大きな要因ではあるので、本当なら違うパートが入り交じって歌うほうが好きなのですが、今回は同じパートは同じ場所に固まって歌う方式でした。残念(笑)まあでも、そのほうがパートごとの歌い口が揃えやすいのでしょう。

1曲ごとに、全体練習が終わると希望者を募って1パート1人〜2人で歌う時間が設けられます。私は「Pure Imagination」を歌ってみたかったのだけど、最初に「My Old Kentucky Home」でも手を上げてしまったので、2度はさすがに図々しいかと思って遠慮してしまった。本当なら全部だって歌いたいんだけど、次回からは一番歌いたい曲に的を絞って、最初の曲がそうじゃなかったら歌いたくなってもじっと我慢してみようかと思ったのでした(笑)

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もうひとつ印象に残ったことは、松岡さんご自身のアレンジが初期の頃よりも最近のもののほうが歌いやすくなっていること。より歌い手に寄り添ったアレンジに変遷していっている、ということです。

私自身、シロウトではありますが ついついコテコテな音を使って
アレンジをしてしまいがちになるタイプです。どのあたりを超えると「やり過ぎ」と感じるかは人によって基準が変わるところではあるでしょうが、シンプルで、それでいてグッとくる進行やワザを使ったアレンジもできるようになりたいなあと思ったりもしているのです。


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さて、私にとって今回のワークショップにはもうひとつ大きな目玉がありました。

去年の夏のワークショップのとき、私のアレンジを由美子さんが添削してくださるというので、「Yesterday」の楽譜をお渡ししてあったのです。お忙しい中、それを今回チェックしてきてくださって、合間で話をしてくださいました。なんと有り難いことでしょう。

まず真っ先に感じたのは、「私ってホントに歌詞のことどうでも良いと思ってるんだな」ということでした(笑)

私の今回のアレンジはジャズワルツです。由美子さんは、「どうしてこのフィールにしたのか」というところに引っかかったとのことでした。ワタシ的には、「ステキだと思ったから」という単純な理由で (^_^;) 失恋の歌なのにどうしてジャズワルツ、なんて考えもしませんでした。楽器編成のアレンジだったら、あんまりそういうことには囚われずに済むのかな。

元々歌詞の意味をあんまり深く考えないタチなんですが、外国語の歌だと余計に、歌詞の世界を音で表現するとか考えなくなります。「大きな古時計」をアレンジしたときは日本語だったので、結構歌詞に沿った意図的なことも、そういえばやっていたなあ。

「薔薇は美しく散る」をボサノヴァアレンジにしたのも「ステキだと思ったから」(笑)。でも結果的に、あの歌はボサノヴァだと物憂さがでていいなと思いました。

「Yesterday」はどうだろう、確かに歌詞の意味から考えるとちょっと軽すぎるかもしれない (^_^;) 悲しい歌を、あまり悲しすぎない感じで歌うのもいいなと思うんですが、少なくとも、アレンジするときにそういうハッキリした意図は無かったです。

こういった感覚は人それぞれで、Yesterday のジャズワルツもいいなと感じてくれる人もいるとは思うんですが、アレンジャー自身にそういう明確な意図がないってのはやっぱマズイのかも(←「かも」ちゃうやろ)と思ったりしたのでした。

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もうひとつは「曲のピーク」について。だいたいが曲の7〜8割終わったあたりにピークを持ってきて、そこから収束に向かうという作りが多い、とのこと。

今回このアレンジは最後のほうで半音上がる転調があるので、そのあたりがピークといえばピークと言えるんですが、音使い的にはAメロの部分で同じアレンジを4回使い回してます。

これには下心がありまして…
「しあたま」で「よりアイ」で歌うために書いたので、自分が暗譜しやすいように、なんて考えたりもしたのでした。わはは。ツメが甘いのである。

確かに最後の部分、もうちょっと書きなおしたらよくなるだろうな。

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あとひとつ。

このアレンジでは、短調になっているところをメロディーを変えずに敢えて長調にする、という実験をしていました。全体を通じて2箇所にそういうリハモを施していて、しかもその2つ目は、ワタシ的にピークのひとつでしたが…ドンピシャその2箇所に違和感を感じる、とのご指摘があり、実験は失敗に終わったのでした。

でもうまく行けば面白いと思うので、またやってみよう。

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細かい点に付いてもメモっておきます。

●臨時記号について

これはちょっと自分でも困ったなと思いました。臨時記号を付けるとき、細かいルールをちゃんと把握してなくて、いつも自分が歌ってみて歌いやすいと思うほうを選んでるんですが、どうもこれが、一般的な感覚とズレているかもしれない。そして、調が変わるとまったく同じアレンジでも自分で歌いやすいと思うほうが変わるケースがあることに気づきました。

臨時記号については、市販譜で「どうしてこっちで書いてあるんだろ?」て感じるのが結構あるので、もしかするとひとそれぞれ読みやすいと感じるのが違っているのかもしれない。このあたりをちゃんと突き詰めるのは結構大変そうだなー。まあ、その都度読んだ人が「読みにくい」と思えば違う方に書き換えてメモってくれればいいかとも思うのですが…(自分はよくやります)


●スラーについて

英語の歌詞では、音引き線があるときはスラーをつける、というルールがあるそうです(音引き線=母音をここまで伸ばすという下線)。私はスラーとか強弱記号とか普段まったく使っていません。ブレス記号も「ここは必ず吸って欲しい」と思うところにしか付けない。

私の中のルールでは、英語の歌詞のときは音引き線を使うのですが、日本語の歌詞とかスキャットとか「woo」とかのときは音符ごとに区切って「−」を使っています。なんでかって。音引き線があると五線が見難くなるので、できるだけ使いたくないと自分が感じているからです。なんじゃそりゃ(笑)

音引き線って、あんまり五線の近くにあると…例えば上のパートの歌詞の音引き線が第4線と第5線の間隔と同じくらいの間隔でその上にあったりすると、3度下と勘違いして読みにくくなりません? なので、英語の歌詞でしょうがなく付けるとき以外は使いません。

自分勝手なルール。許してもらえるのでしょうか。


●スキャットの表記について

私はトライトーンの影響もあって、バックコーラスに出てくる「ル」を平仮名の「る」で書くことが多いのですが、「du va lu va」というスキャットの中では「lu」を使ってしまっていたのでこれは混乱を与えるとのご指摘。確かにそうですね!「du va る va」とするか、或いは全部「lu」表記にして「日本語の「る」で歌ってください」と注意書きするのがいいと思いました。

「whoo」という表記もどう発音するのかイマイチ判らないので
解説があったほうが良い、とのこと。


●スウィングの曲で一部分スウィングしない部分の注意書き

私は「no bounce」と書いていましたが、それでは通じない。「straight」と書くのが良いとのことでした。日本人向けの楽譜だったら「without swing」と書くか「♫=♫」と記号で書くのが良いかもしれませんね。


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と、いうわけで。当たって砕けた部分も多かったのですが、でも由美子さんに添削していただいた楽譜は宝物になりました。時々見なおして、今後のアレンジのモチベーションにしたいと思います。

由美子さん、こんなシロウトの書いた楽譜をお忙しい中こんなに丁寧にチェックしてくださって、本当に本当にありがとうございました。
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