こんきちの雑記帳

アカペラ・ルパン・Mac そして日々の出来事…

■ アカペラ楽譜のネットショップ【こんきち堂】オープンしました ■
<< 2006年09月 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>

ルパン TVSP

9/8(金)、毎年恒例のルパン三世TVスペシャルが放映されました。タイトルは「セブンデイズ・ラプソディ」。毎年 TVSP 放映後数日間はルパンファンサイトはどこもアクセス数が大幅に増えるのが通例で、拙サイトへのアクセスもご多分に漏れず金・土と大幅アップ。せっかくお越し頂いても大したモン置いてなくてスイマセン。

毎年期待をしないようにしつつ見ていますが、今年も予想通りガッカリの出来栄えでした。覚え書きのために感想でも書いておこうかなと。人様の日記を読みに行く気力は出ないのに、こんなことにはエネルギー使っててスイマセン (笑)

例によって、番組をご覧になってないかたには何のことが判らないと思いますし、あれが面白かったという方はお読み頂かない方が精神衛生上好ましいかと思われますので、ひとつヨロシク。。また、思いっ切りネタバレしてますので、ビデオに撮ってあってこれから見るんだ、という方はご注意下さい。

放送が終わった後には、毎年だいたいヒミツのチャット部屋に年代の近いファン数人が集まってヤイノヤイノ作品に茶々を入れてウサを晴らしています。で、そこのチャットでは、ゲストキャラの名前が印象に残ってなかったので、キャラに勝手にニックネームを付けてました。いちいち名前を調べるのが面倒なので、ここでもそのニックネームを流用させて頂きます。

いやいや。いつもながら要らないシーンやテンポの悪さが目立ちました。今年はギャグシーンに力を入れたようで、なかなかイイ線いきそうな場面も見受けられたのに、作画や演出や間の悪さ、声の演技のマズさで台無しになってる部分も大きかったように感じました。唯一面白いと思った冒頭のカツラ処理班のシーンすら、もうちょっとテンポが良ければ(処理班のフタを閉めるタイミングとか)もっと素直に笑えたろうと思います。「何もしなければただのボールだ」といってファイヤーボールを見逃したシーンも笑って欲しい場所だったんでしょうが、ルパンたちが敢えてそこから動かないのが不自然で笑い不発。

要らないシーンの筆頭は、回想シーンで次元とチューしていた女。チャットで誰かが「次元が女性とキスしてた」と言及したときに、そこにいた他のメンバー全員が、その場面をしばらく思い出せなかったくらい、印象の薄い女でした (笑)。あれは何のために出てきたのか? 次元とのキスシーンを描きたかっただけなのでは…ちなみにそのシーン、「あれはぜったいディープキスだった」という考察から、チャットでは「ベロチュー女」と呼ばれていました。 (笑笑)

それから、キャラクターの心情や行動原理にギモンを感じる点が多かったです。例えば次元がルパンと対決しなければならない理由はなんなのか…? ただ単に書類にサインしたから、だけだったように見えました。だいたい、借りも義理も何もないようなハゲタラコオヤジに、昔戦友だったというだけでホイホイついていって、どうして見も知らない雇い主に書類で雇われてしまったりしたのでしょうか。まったく次元らしくありません。ただただルパンとの対決シーンを描きたくてこじつけただけとしか思えない!

しかもその描きたかった対決シーンは大したアクションシーンでもなく、和解(?)のし方もかなり唐突で不自然。心情の変化が全く判りません。

そして、五右ェ門が不二子にヘイコラする理由も全く理解できない。ニューヨークでの生活の面倒を見て貰った恩??? こちらも全く五右ェ門らしくない。ここのところちょっとはテレスペでの待遇が良くなっていた五右ェ門ですが、一気に地に落ちた感じ。

五右ェ門のタクシーからの去りかたにしても、あんな風に無責任に去る必要がありますか? 何故不二子への義理ばっかり大事にして、ルパンはどうでもいいと思えるのでしょうか。仲間への義理は無いのか?

そして今回のヒロイン(とも言いたくないけど)のツンデレ娘。悪いことしてるパパが嫌い、お金なんか要らない! と言いながら、パパに貰ったブラックカードでノーテンキに豪遊するようなアホっぷりをみせつけておいて、急にウルウルされたって全然同情できません。物語の終盤でも、パパが部下に殺されたかと思ったら生きていた、という流れで、それまでの親子間の問題が何も解決されないまま、ただ「生きてて良かった」で終わっているので、スッキリしないことこの上ない感じ。

そもそもルパンがこのツンデレ娘の依頼を受けた理由も釈然としません。あんな小生意気な魅力ゼロのガキンチョの色気にやられたとも思えないし。まあ上手くすればダイヤを頂いちゃおうと思ってたのかもですし、同情したってコトなんでしょうが、あんな小娘に同情しちゃう時点でヤメテクレ〜って言いたい。ヒロインなんて毎年出す必要ないと思うけど、どうしても出すんなら魅力的なのにしてくれ。

テレスペの前に「ルパン公式マガジン」という漫画雑誌が発売されていて、今回はこのシナリオをそのままコミカライズした作品が掲載されていました。モンキーパンチではなく深山雪男というひとが描いてます。大筋殆どTVと同じでしたが、細かいところは変えられていました。●次元がルパンと対決する理由(つまり大佐=ツンデレパパ側につく理由) ●五右ェ門が不二子に義理を感じる理由 ●五右ェ門のタクシーからの去り方 ●ツンデレ娘とツンデレパパとの確執のゆくえ ●ルパンがツンデレ娘の依頼を受けた理由 については、漫画での描かれ方のほうがずっとスッキリしています。この深山という人の画風がどうも私は受け付けないのですが、余計な部分はそぎ落とされてるし、ツンデレ娘の描き方やストーリーの進め方はずっと漫画の方が好感が持てました。

一方TVのほうは、視聴者への状況の提示の仕方がマズいところが沢山ありました。例えば、ルパンとツンデレ娘の出会いのシーン。彼女はルパンのことを全く知らず偶然助けを求めて来たワケですが、いきなり「あなたの力を見せて頂戴!」とか言われると、ルパンと知って近づいてきたような印象を受けます。

ファイヤー(←これって正式名だよねえ…?)が警察を騙ってホテルのフロントでツンデレ娘の部屋を聞き出すシーン、ファイヤーが警察を騙っていたというコトが判るのは、フロント係との会話が終わってからです。そんなコトを判りにくくする必要がドコにあるのでしょうか。

サイコーに判りにくかったのは冒頭のシーン。競馬場から逃げ切ったところでオープニングが終わりますが、そのあとルパンがマペットを使って次元に状況説明をしています。どうやらここまでの部分がルパンの想像で、1週間後こういう作戦で行くんだと次元に説明しているというコトだったみたいなんですが、ここがとてもチグハグに感じました。冒頭の部分ではルパンがレースに出てインチキをして大穴を勝たせて、その大穴に賭けた次元が窓口で大金を受け取っています。併行して、酒場みたいな所でルパンが事前にノミ屋に対して大穴にエントリーしていた、というシーンが描かれます。そしてその後のルパンがマペットで次元に作戦の説明するシーンでは、「競馬場のカネを奪うんじゃなくてマフィアのカネを奪うってトコがいいだろう?」みたいなことをいうので、私は別の作戦のことを話しているのだと思ってしまいました。1週間後にまた競馬場で別のシゴトをするのか…と。

マフィアのカネっていうのはつまり、ノミ屋から賭けの賞金を巻き上げる、という意味のようなんですが、酒場のシーンではノミ屋がマフィアであるということはひと言も出てこないし(まあ常識なのかもしれないけど)、次元への説明シーンでも「ノミ屋」というコトバは使ってないし、判りにくいことこの上ない。しかも次元が競馬場の窓口からも大金を受け取っているので、「競馬場のカネじゃなくてマフィアから頂く」こととは別のことにしか見えません。どうしてわざわざ判りにくくするんでしょうか。この辺りも漫画を読めばスッキリ判りました。

それにしてもマペットのシーンはアホらしすぎて恥ずかしいくらいだった! クリカンの演技のせいで余計恥ずかしかった!

あと分かりにくいと言えばトラックへの荷積みのシーン。荷積みが終わってから五右ェ門がアタッシュケースを持って登場しましたが、五右ェ門が作って持ってきたニセモノと、元々荷積みされるべきだったNDW(あれDNWだっけ?)をすり替えたのですよね? 順番が前後して混乱します。アタッシュケースを持った五右ェ門がルパンと次元のいる画面に入ってくるのではなく、五右ェ門が取り替え済みのアタッシュケースと一緒にどっかに隠れていて、そこに荷積みを終えたルパンと次元が寄っていくのだったら混乱しなかったかも。

公式マガジン、私は事前に買ってはいたんですが、内容がテレスペと一緒だというので、テレスペが終わるまでは一応読まないでおいたのでした。後で読んで、「ああ、そういうことだったのか」とか、「こっちの描き方なら心情が理解できる」と思うシーンがやたらに多かったです。

というわけで、どうせ一生懸命考えてもどうってコトないストーリーの割に、書き方がわざわざややこしくしてあるのでイライラが募ります。それに加えて不必要にテンションの高いクリカンのセリフ回し。もう最初の部分で怒りモードになってしまってゲンナリでした。

ルパンスキーとしては、あんな魅力のないツンデレ娘をマトモに相手にするルパンや、ツンデレ娘にも銭形にもウカツに犯行計画メモを見られてしまう間抜けなルパンもあり得ねー! と思ってしまうのでした。

更にケチをつければ、今回も銭形はただ哀れなギャグメーカーに徹していて存在意義ゼロ。ベロチュー女と同じくらい、別に出てこなくてもいい扱いでした。不二子も相変わらず無闇に色気をまき散らすゴーツクバリの学習しない女で、色仕掛けで相手に迫るのに良いように利用されて裏切られてオシマイ。こんな女のどこがいいいんだルパンよ?

…というわけで…あとのチャットがなければ腹立たしいだけの作品でした(毒)。茶々入れチャットは本当に楽しくて、ガンガン頭痛がしていたのに(今もだけど) (^^;;; 2時間以上喋ってしまいました(←アホ)。参加者のみなさま、ありがとう!!(感涙)

本日9月10日は故・山田康雄氏のお誕生日です。ルパンの計画実行予定日が 9/10 だったのは、スタッフの山田さんへの思いもちょっとあったのでしょうか…? でもこんな作品、山田さんに捧げんでくれ〜

追記

録画したのをちょっと見直して見ましたらば、冒頭の追っかけっこの部分で銭形が、「ルパンの狙いは競馬場のカネじゃなくて馬券の配当金だ。ヤミで馬券を扱っていたマフィアがいくつか潰れたらしい」なんて説明をしてたんですね。声がフガフガしてて気付かなかったです(←毒)。まあ判りにくいことに違いはないけど。でも競馬場のカネは奪えなかった、ってのはどういうコトだろう? 次元が持ってったのに。

それにしても、レース自体がインチキだと判ってるのに、ノミ屋はルパンにお金を払う必要があるのか…? そのお金ってどうやって払われたんだろう。レース終了後すぐにノミ屋が潰れちゃうくらいだから、レースの結果が出ると同時に、事前に登録した申込者の口座に自動的に振り込まれるようなシステムになってるんだろうか。だとしても、それがルパンの口座だって判ってるんだから差し押さえちゃえばいいじゃん。ルパンはまだ競馬場に居て口座のお金は移せてないはずだけど、仲間が即座に引き出す手はずになってるのかな〜??

……と思ってもう一度よくよく見直してみましたらば、次元が大金受け取ってる窓口が、そのノミ屋の配当金受け渡し所だったのですね。ようやく謎が解けました。コレってみんな一度でスンナリ判るのでしょうか?? 私がアホなだけ?

それにしてもヤミの馬券の当選金って、賭けの参加者から集めたお金の中から配当するじゃないんだ? 随分危なっかしいシステムですなあ。
category:ルパン  コメントを読む・書く (5)
/1

▲ page top