…というものの存在をご存じでしょうか。私が高校生くらいの時、日本とフランスの合作というカタチで作られていたアニメ作品です。主人公はルパン三世の子孫で、22世紀という設定。不二子、次元、五右ェ門、銭形の子孫もちゃんと登場します。ルパン一味は、5代後には探偵業を営んでおり、不二子ちゃんはファッションデザイナーですが、ウラではちゃっかり泥棒稼業。次元は子供の教育に悪いという理由で、煙草の代わりにキャンディーをくわえさせられてます。いかにもヨーロッパ作品ぽいぞ。この作品は作りかけの段階で結局企画がポシャってしまい、日の目を見ずに世の中から消えて行ってしまった、幻の逸品(?)であります。
アニメ情報誌「アニメージュ」で情報を読んで以来、殆ど四半世紀近くに渡って「見てみたいな〜」と思いつつ叶わなかったこの作品。先日あるルートで、映像を入手致しました。モノスゴイ画質なんですけどね。何度も何度も重ね取りしてボロボロになった VHS テープに3倍速で録画したみたいな感じ。しかもパイロット版で、音楽や効果音は入ってますがセリフはナシ。なのでストーリーの細かいことは今ひとつよく判んないです。
しかし! 映像的にこれは良い。キャラクターの表情とか、手つきとか、ポーズの取り方、動き方なんかがモンキーパンチの特徴をよく生かしていて、ちゃんと研究して描いてるな〜って感じです。ルパンのアゴが割れちゃってるのが、個人的にはマイナスポイントですが (笑)、原作もそうだからしょうがない。
作画監督は荒木伸吾氏。荒木氏というと、「魔女っ子メグちゃん」とか「花の子ルンルン」とか「聖闘士星矢」、「ベルサイユのばら」なんかを思い浮かべます。不二子とかゲストの女の子とか、美形に描かれてる五右ェ門とかを見ると、ああ荒木伸吾だな、と思いますが、しかしルパンたちのフォルムの特徴はよく捉えてると思います。昨今のテレスペも、こういう制作姿勢を見習って欲しい、とまたちょっと悲しくなりました(ーー;)
それにしても何だか、ルパン達が宇宙船を拠点に活動していたり、五右ェ門が変なサムライの宇宙服で登場したりと、設定がトンデモ系なものですから…「8世」ではなく、この人達に堂々と「ルパン三世」を作ってもらいたかったなあ、というのが本音です。その後テレビシリーズとなった「ルパン三世・パートIII」の初期の作品の一部はスタッフが大分被ってはいるようですが、個人的には「8世」のほうが、原作のキャラクターの特徴をキッチリ生かしているように思いました。
入手ルートは秘密です。出所は外国。「まわして下さい」というご希望も受け付けませーん。悪しからず。m(__)m
ちなみに、「ルパン8世」でググると、最初に「おりはるこん」による漫画があって、それをアニメ化しようとした、という説明がアチコチで見られますが、私はテッキリ逆だと思ってました。つまり先にアニメ化の動きがあって、それに合わせて漫画が描かれたのだと。このあたり、どうなんですかね? 詳しい方教えて下さい(特にI本さんとか/笑)